準正 とは、 非嫡出子 が 嫡出子 の 身分 を 取得 することを言います。
父母 の 婚姻 を 促進 することで 子の保護 を図り、子の 出生時期 が 父母 の 婚姻 の 前後 によって 取扱い に 差異を生じないようにするための 制度です。日本法における 準正 には 婚姻準正 と 認知準正 があります。
父が 認知 した 子 は、その 父母 の 婚姻 によって 嫡出子 の 身分 を 取得 します(民法789条1項)。これを 婚姻準正 と言います。 婚姻準正 の 効果 の 発生時 については、 出生時説 もあるが、 婚姻時説 が 通説 となっています。
婚姻中 、 父母 が 認知 した 子 は、その 認知の時 から、 嫡出子 の 身分 を 取得 します(民法789条2項)。これを 認知準正 と言います。
同項 の 条文上 は「 婚姻中 父母 が 認知 した 子 は……」と 規定 されていますが、 現在 の 判例 では、 母子関係 は 原則 として 母の認知 をまたず 分娩の事実 によって 当然 に 発生 するため、 原則 として 認知 は 父子関係 においてのみ 問題 となり、 母の認知 は 棄児 や 迷子 など 懐胎 ・ 分娩 の 事実 が 立証不可能 の 場合 に 限定的 に 機能 するにすぎないとされています。
また、 認知準正 の 効果 の 発生時 について、 条文上 は「 認知の時 から」 嫡出子 の 身分 を 取得する 旨 規定 されていますが、 父 が 生存中 に 任意認知 をしなかったため、 死後 に 強制認知 ( 認知 の 訴え による 認知 。民法787条)があった 場合 は 認知準正 となりますが、 その 効果 が 認知 の 時 であるとすれば、 婚外子差別規定 があった 国籍取得 や 相続 において、 嫡出子 としての 父親 の 国籍 や 嫡出子 と 同様の権利 がないという問題がありました。
このような 背景 もあり、 学説 は 認知時説 、 出生時説 、 婚姻時説 に分かれ、かつては 認知時説 が 通説 とされたが、 現在は 子の保護 の 観点から 婚姻時説 が 通説 となっています。 通説 は、 認知準正 の 場合 にも 婚姻準正 と 同じく、 婚姻の時 から 準正 の 効果 が生じると解しており、 実務先例 もこれに従っています(昭和42年(1967年)3月8日民甲第373号民事局長回答)。
ただし、 国籍取得 や 法定相続 について 婚外子差別 に 関する 民法規定 は2008年6月4日の最高裁判決(婚外子国籍訴訟)や2013年9月4日の 最高裁判決 で 違憲判決 が出され、その後に 婚外子差別 を 是正 する 民法改正案 が 成立 しました。これらの 法改正 により父親から認知を受けた非嫡出子については、 準正 を受けなくても 嫡出子 との 差別 は無くなっています。
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